再興院展100年記念 速水御舟
2014年に院展が再興100年を迎えることを記念しての展覧会
いつも山種美術館へは恵比寿駅から歩いて行くのですが、この頃はとても暑いので渋谷駅からバスを利用してます。
今回も素晴らしい絵に出会えました。
美しい絵を見るごとに雛人形の衣装などに生かせることは間違いない、これからも美術館めぐりを楽しみたいです。
速水御舟のことば
私の行く道
今迄私の見て来、解釈してきた美は余りにありふれた習俗的過ぎたもので、ちっとも真の美に触れて居ない気がする。私はもっとほんとうの美を知らないと思う。
浮動しない、欺瞞のない真実の美を摑まなければならないと思う。美を確実に知ろうとするにはその反対の醜を充分に知る必要がある。本当の美を知るには、本当の醜を知らねばならないと思う。
しかし美だとか、醜だとか言ってはいるがそれらは総てを比較的の問題だ。
我々は比較なしに美醜を分ち得ない。そこには元来、美も醜も無い筈だ。唯真実があるばかりだ。
それを見る人、感ずる人が自分の頭脳(あたま)の都合で勝手に美を感じたり、醜と解釈したりするだけだ。
大海美術10巻10号 1931年10月 館内案内解説より
翠苔緑芝(すいたいりょくし) 速水御舟 昭和3年 34歳 山種美術館所蔵
琳派の作品に見る構成法を意識的に取り入れた金地屏風の大作。
大胆な色面による構成を意図し、モティーフは平面的な形態に単純化され、装飾的効果を強調する。
また、紫陽花の花のひび割れ、芝生の表現も注目される。
「もし無名の作家が残ったとしてこの絵だけは面白い絵だといってくれるだろう」と語ったように、この部分には御舟の独創によって生み出された技法が効果的に生かされている。
喜撰山 横山大観 大正8年 51歳作 山種美術館所蔵
第6回再興院展に出品された<喜撰山>(個人蔵)の試作と考えられる作品で、喜撰法師の歌『わが庵は都のたつみ しかぞすむ よを うぢ山と人はいふなり』で知られる宇治の喜撰山を描く。
金箋紙(裏に金箔を押した鳥の子紙を剥いだもの)を用いた最初の作品。
地肌に潜んだ金色を活かした独特の深見のある赤色は画家が意識的には京都の赤きを表現するために使用したものと思われる。
館内案内解説より
(岩槻工業団地内)
赤ちゃん授乳室完備