重陽の節句 【菊の被綿きせわた】
重陽の節句の前夜の八日に、菊の花を真綿で覆い、菊の露と香を移します。
露に湿ったその真綿を肌にあてて清めると、若返り、寿命が千年延びると言われていたようです。
重陽の節句(九月九日)の行事で、前夜菊の花に花色に染めた真綿をおおって、その露や香を移しとり翌朝その綿て顔や身体を払うと不老長寿が保たれるというもので、平安時代に盛んに行われていました。
ことにこの時代の女性には菊の持つ不老・若返りの効をも信じられていた様で、紫式部が道長夫人の源倫子より菊の被綿を贈られて大感激して詠んだ歌が有名です。
紫式部日記
菊の露わかゆばかりに袖ふれて 花のあるじに千代はゆづらむ
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