岩槻人形博物館開館記念名品の中の天児・這子 について
雛人形をはじめとした人形には、病などの災厄から人を守る役割が期待され、誕生したものがあります。
昔は、体中をなでた人形(撫で物)の変形として作られたものに天児(あまがつ)・婢女(ほうこ)という出産御祝の品としてのお人形があります。
※「天児」はT字形に組み白絹製の頭の部分をつけ、祓いに用いられる人形の一種。 平安時代からある。 これに赤ちゃんの産着などの衣装を着せて゛けがれ゛のお祓いの形代(カタシロ)としました。
天児はT字形に組み白絹製の頭の部分をつけ、祓いに用いられる人形の一種。
平安時代からある。これに赤ちゃんの産着などの衣装を着せて゛けがれ゛のお祓いの形代(カタシロ)としました。
小児誕生の際に白の絹地で綿入れにし人形を作った。それを陰陽師、神主などの祈祷を済ませ、子供の災厄を人形に負わせるとし、子供の枕元に布団を設え置いた。毎日御膳も供えられました。いわゆる『形代』である。
首と胴は綿詰めの白絹、頭髪は黒糸、這う子にかたちどってあるので、この呼び名が付いた。
現代とはだいぶ医療の面・医薬品の面等、事情が異なり、必然的にどこのお家でも赤ちゃんが病気せず、無事に成長して下さいと、思う親心が天児(あまがつ)・婢女(ほうこ)というお人形に託されているのです。
ちょっと目には、お雛さまに似ているかしら【天児(あまがつ)】の方は天皇様のお子様方に使われ
【婢女(ほうこ)】の方は普通のお家で使われました。全部赤ちゃんの病気やら怪我という悪い災いを背負ってもらえると、考えていた訳です。
五・六歳位までの新しい衣装はまず最初に天児(あまかつ)・婢女(ほうこ)に着せ、その後我が子に着せたようです。
形から天児(あまかつ)が男雛に、婢女(ほうこ)が女雛になったとの見方もあるようです。現代は犬の張子が同じ思いで子供の枕元に置かれているのです。